レトロな旧動力のプラレール 「超特急ひかり号」をメンテナンス

プラレール

古い0系新幹線のプラレールを手に入れました。動力部の不調や破損はないものの、ゴム系の部品が劣化しているようです。今回は時代を感じるこのレトロなプラレールのメンテナンスを行っていきます。

約50年前のプラレール「超特急ひかり号」

 このプラレールは約50年前、1970年前半から半ばころの製品で「超特急ひかり号」という名で売られていました。このころはまだ新幹線が「超特急」と呼ばれていた時代だったのです。電動のプラレールの新幹線としては2代目のデザインにあたるもので、今回のものより古い新幹線の製品は赤色と白色のカラーでした。実車のカラーである青と白になったのはこの製品が初めてのようです。窓周りの青い帯は塗装ではなくシールで表現されており、青白カラーとなったごく初期のものだと思われます。この後の製品は現在まで実車通りのカラーでリリースされます。(一部の復刻版等除く)初めて実車に忠実なカラーとなった製品だと考えると感慨深いですね。鼻は鮮やかな赤色になっており、おもちゃらしいかわいい色使いですが、運転席の窓が細く、キリッと凛々しい顔つきとなっています。

時代によって顔つきが異なる0系のプラレール

 所有している他の0系製品と比較してみました。左から順に古いものです。同じ0系新幹線でも随分顔つきに変化がみられ、現行のものは非常にリアルにできています。ところで、プラレールの0系は鼻が赤かったり光ったりするものが長らく販売されています。実は初期の実車の0系も鼻がちゃんと光りました。初期のものは光が透過する素材で作られ、灯籠のように鼻全体がボワンと光ったんです。しかし、素材の強度が弱く破損が多かったため、まもなく光を透過しない強化プラスチックに変更されました。実車ではごく初期にしか見られなかった鼻が光る0系、そのインパクトのせいかプラレールでは長い間鼻が光る仕様で発売されていたのですね。

ゴム部品の交換をメインにメンテナンス

時代を感じる金属製モーターボックス。金属の鈍い輝きがかっこいい!!

動力車のカバーを開けてみます。カバーは鼻先と後部のツメで固定されており、鼻の部分を押してやると外すことができます。

こちらは、いわゆる旧動力と言われているもので金属のスイッチが前面や側面についています。モーターボックスは金属製の堅牢なつくりとなっており、側面から突き出したシャフトによって直接車輪を回すことで走行します。

 電池を入れてみたところ、モーター等動力部に不具合は見られないのですが、小刻みに揺れる不自然な動きをします。どうやら、ゴム製部品の劣化が原因のようです。シャフトについているゴムが劣化して固まってベタついており、車輪のゴムも同様に弾力性がなくなってカチコチに固まってしまっています。

分解する

モーターボックスは金属のツメで固定されている(メンテナンス後撮影)
金属のツメとリード線を外して分解する(劣化したゴム部品を除去後撮影)

劣化したゴム部品を除去するため分解します。モーターボックスは車体裏側に金属のツメで固定されているので、マイナスドライバーやラジオペンチを使って慎重に取り外します。リード線がモーター端子につながっているため、これもいったん取り外します。リード線ははんだごてを使う前にポロリととれてしまいました。

劣化したゴム部品を除去する

シャフトのギアが金属製のためルーターを使ってゴムを除去
磨けば光る金属のモーターボックス

シャフトについているゴムを除去します。大まかにナイフで削り取った後はホビー用ルーターを使って一気に削ります。この製品はギアが金属製のため、多少の荒い作業をしても大丈夫そうです。ゴムを除去後にモーターボックスをさび止め剤で磨いてピカピカにしました。

なお、車輪のゴムは幸いにもこびりつきはなかったため、簡単に取り除くことができました。

意外な代用品を使ってゴム部品を交換する

交換部品には観賞魚用エアチューブが代用できる
ぴったりとはまったエアチューブ

シャフトについているゴムを交換します。この部分は「摩擦ゴム 小」として当時は純正の交換部品が売っていました。現在では入手困難なので代用品を探します。

 100円ショップで観賞魚用のエアチューブを買ってきました。本来は水槽に空気を送り込むエアーポンプで使うものです。これをギアの幅に合わせて輪切りにしてはめ込みます。程よく弾力があり、ゆるみもなくしっかりとはまってくれました。

現行品では内径が大きすぎるようだ

車輪の走行用のゴムタイヤも交換します。こちらは今でも純正の交換部品が手に入りますが、現行品では大きさが合わないため切り詰めて使います。車輪の溝にはまって固定されるため走行には問題ないようですが、切れ目の部分を少量の接着剤で固定しておきます。

元通りに組み立ててメンテナンス完了

部品交換が終わったので元通りに組み立てていきます。外したリード線をモーター端子にはんだ付けします。

モーターボックスのツメを台車に差し込み、ペンチなどで折り曲げて固定します。力任せにやるとプラスチックが割れてしまうので慎重に行います。

これにてメンテナンス完了です!約半世紀前のプラレールが元気に走ることができるようになりました。

まとめ

約半世紀前のプラレール「超特急ひかり号」。まさか修理に100円ショップで売っているエアチューブがこんなにもうまく使えてしまうとは驚きです。そもそも手に入れた際の状態が良好だったのもありますが、50年近く経った玩具がまだ現役で動くとは感動です。

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