ラストラン仕様の100系新幹線のプラレールを手に入れました。黄ばみがひどく、白いボディがキャラメル色になってしまっています。
今回はプラレールの黄ばみ除去、漂白の方法を紹介します。
注意:プラレールの修理は自己責任で行いましょう。
手順
①まずは、酸素系の衣料用液体漂白剤を用意します。
②漂白剤を薄めた液にボディーを漬け込み、よく日の当たる場所に置きます。
分解してボディーを取り外します。漂白剤と水を1:1で混ぜた溶液にボディー全体を浸し、日光がよくあたるところに置きます。全体に日が当たるように時々向きを変えてください。
③様子を見ながら数日~数週間程度そのまま置いておきます。
漬け置く時間は黄ばみ具合、溶液の濃さ、日差しに左右されます。今回は塗装への影響を考え、半分に薄めたものを使用しています。日差しの弱い冬の時期に行ったため、2週間ほど漬け込みました。
④漂白されたことを確認し、溶液から引きあげます。
溶液から引きあげ、洗浄、組み立てしたら完了です。
まるで新品のように真っ白になりました。驚きの白さです!!
塗装への痛みは見られませんでした。
注意点
- 漂白剤を素手で触れないようにしてください。ゴム手袋等を装着しましょう。
- ものによっては塗装を痛めることがあります。特に古い製品は塗装が弱いものがあり、色落ちてしまうことがあるようです。
- ステッカーやシールは痛んでしまうことがあります。剥がせるようなら剥がしましょう。
プラスチックが漂白される原理
プラスチック(ABS樹脂)が黄色くなってしまう現象を「黄変」(おうへん)といいます。劣化による黄変の原因は大きく二つに分けられます。
(1)ABS樹脂そのものの劣化によるもの
(2)添加物の劣化によるもの
ABS樹脂そのものの劣化は防ぐことが難しく、元に戻すことが難しいです。一方、添加物による劣化はある程度元に戻す方法があります。添加物によるものの原因はさらに2種類に分けられます。
①酸化防止剤によるもの
日に当たらないところに大切に保管していたにもかかわらず、黄色くなってしまうことがあります。これを「暗所黄変」といい、プラスチックの添加物である酸化防止剤が原因となっています。これは紫外線に当てることにより還元され、元に戻ります。つまり、日に当ててやればよいのです。
②難燃剤によるもの
難燃剤の劣化よる黄変は紫外線が原因となっています。紫外線による化学反応で酸素と結合されて黄色くなってしまうのです。この場合は酸素との結合を切り離し、水素と結合させることで対処します。水素の供給源としてオキシドール(過酸化水素水)を用います。
つまり、今回紹介した方法は原因の異なる2種類の黄変を同時に対処しているのです。この方法は「レトロブライト」と呼ばれ、レトロゲーム愛好家の間では有名な方法となっています。
まとめ
黄ばんでしまったプラレールは酸素系漂白剤に日光(紫外線)を当てながら漬け込むことで再生できます!!
愛好家の間ではレトロゲーム機の再生にも用いられていることから、他のプラスチック製品にも応用できる方法だと思います。より精巧な鉄道模型でも効果があったという声もあります。黄ばんだプラレールがあって困っている。そんな時はあきらめずにこの方法で再生してみてはいかがでしょうか!
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